わたしは一生に一度の恋をしました
「由紀のことは気にすることないよ。将の件はもともと由紀の一方的な片思いだった。だけど由紀は学校内でああやってちやほやされていて、そのたびに将を好きだと言っていたんだ。二人は付き合っていると噂もされていて、将も由紀を庇う意味で敢えて否定しなかったのだと思う。ほのかに誤解されなければそれでよかったんだろうね」
「でも、彼には前に好きな人がいたときいたけど。そんな噂を放っておいたらその人とうまくいかなくなるんじゃないの?」
「その人はこっちに住んでいなかったから、耳に入ることはなかった。まだそれが誰かわからない?」
いらずらっぽく笑う彼を見て、わたしの頬が赤くなるのが分かった。
「ずっとほのかのことが好きだったんだと思う。写真でしか知らなくてもね。だから気にしなくていいよ。将と同じ大学を受けると聞いた。ほのかと将の好きなようにしたらいい」
わたしは頷いた。
わたしは農学部で彼は獣医学部だ。学部は違えど、顔を合わせる機会はそれなりにあるだろう。
だが、胸も痛んだ
わたしは三島さんのアルバムに挟まっていた三島と由紀のツーショットの写真を思い出していた。
七歳の由紀と八歳の三島さん。きっとあの頃から由紀は三島さんのことが好きだったのだろう。わたしが三島さんを知るずっと前から。
「でも、彼には前に好きな人がいたときいたけど。そんな噂を放っておいたらその人とうまくいかなくなるんじゃないの?」
「その人はこっちに住んでいなかったから、耳に入ることはなかった。まだそれが誰かわからない?」
いらずらっぽく笑う彼を見て、わたしの頬が赤くなるのが分かった。
「ずっとほのかのことが好きだったんだと思う。写真でしか知らなくてもね。だから気にしなくていいよ。将と同じ大学を受けると聞いた。ほのかと将の好きなようにしたらいい」
わたしは頷いた。
わたしは農学部で彼は獣医学部だ。学部は違えど、顔を合わせる機会はそれなりにあるだろう。
だが、胸も痛んだ
わたしは三島さんのアルバムに挟まっていた三島と由紀のツーショットの写真を思い出していた。
七歳の由紀と八歳の三島さん。きっとあの頃から由紀は三島さんのことが好きだったのだろう。わたしが三島さんを知るずっと前から。