わたしは一生に一度の恋をしました
 わたしは笑顔を浮かべた。

 真一の突然彼の表情が真顔になった。

「あいつから連絡来た?」

 わたしは真一の言葉に首を横に振った。

「あの人の心の中で答えは出ていると想う。わたしもその気持ち分からないでもないから。それでいいと思う」

 次に三島さんに会うのは恐らく卒業式だろう。そのときまでに心の整理をすませておかなければならない。わたしは自分自身にそう言い聞かせた。きっと彼女は由紀と一緒にいることを選んだのだろう。自分の夢よりも。

 わたしは心の奥が疼くのを感じながら、そっと唇を噛んだ。

 大学の入学試験は問題なく終了した。あとは大学入試の結果を待つだけだった。


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