君の姿~傍にいるのに距離がある~
第一話 高校の入学式
もう気が付けば高校の入学式。時間とは本当に早いもので、私こと佐々原カンナは今日で3回目の「入学式」を迎えることとなった。この場所に私を知る人はいない。いや、知っている人がいるとすれば受験の面接をしてくれた先生方程度だろう。
私がこれからお世話になる学校は、最寄駅から一駅離れた高校の定時制。なぜ定時制を選んだのかと聞かれれば私はこう答えるだろう。「人が嫌いだからと・・・。」まぁわかりやすくいってしまえば私という「人」が嫌いなのだ。
ルックスがいい訳でも頭脳明晰でもなければ、持ち合わせているのは大根のような下半身と我が儘で頑固な性格のみ。人の意見を聞こうともせず失敗すれば人のせいにしさらには、相手を信じようとしないときたものだ。誰が私と一緒にいて楽しいと思うのだろうか。自分でも最低な奴だと分かっているから、私は「私」が嫌いなのだ。
定時制なら誰かと協力して行事をするわけでもないし、赤点を取らないように勉強すれば周りの人と関りを持たずに済む。晴れて私は嫌いな「私」を隠したまま卒業できるという結論に至るわけだ。
何事もなく入学式を終え、割り振られた自席に腰を下ろす。辺りを見渡してみると、ギャルにヤンキーは勿論、線の細い人や体格の良い人まで実に様々な人がこの教室に集まっていた。人数は40人程度なので一クラスしかない。つまりクラス替えという学校ならではのイベントもない。
私は、前で話す担任の話を一切聞かずにただただ前の席に座る女の子の揺れる髪をじっと眺めていた。
私がこれからお世話になる学校は、最寄駅から一駅離れた高校の定時制。なぜ定時制を選んだのかと聞かれれば私はこう答えるだろう。「人が嫌いだからと・・・。」まぁわかりやすくいってしまえば私という「人」が嫌いなのだ。
ルックスがいい訳でも頭脳明晰でもなければ、持ち合わせているのは大根のような下半身と我が儘で頑固な性格のみ。人の意見を聞こうともせず失敗すれば人のせいにしさらには、相手を信じようとしないときたものだ。誰が私と一緒にいて楽しいと思うのだろうか。自分でも最低な奴だと分かっているから、私は「私」が嫌いなのだ。
定時制なら誰かと協力して行事をするわけでもないし、赤点を取らないように勉強すれば周りの人と関りを持たずに済む。晴れて私は嫌いな「私」を隠したまま卒業できるという結論に至るわけだ。
何事もなく入学式を終え、割り振られた自席に腰を下ろす。辺りを見渡してみると、ギャルにヤンキーは勿論、線の細い人や体格の良い人まで実に様々な人がこの教室に集まっていた。人数は40人程度なので一クラスしかない。つまりクラス替えという学校ならではのイベントもない。
私は、前で話す担任の話を一切聞かずにただただ前の席に座る女の子の揺れる髪をじっと眺めていた。