また明日、空の向こうで。

黒板の前に貼ってある座席表をみると。



…あたしの前の席に“久瀬 亮太”の文字が。



名字が近いし普通なんだろうけど、少し嬉しかった。



「嬉しそうだね?」



「うん、嬉し……えっと、誰ですか?」



話しかけられて普通に返事をしながら振り返ってびっくり。



髪はくせっ毛でふわふわしてて、色は少し暗めの金みたい。


目は大きめで青い。



すごいニコニコしてる。


…誰、この人?



「あ、急に話しかけちゃったから驚いたよね!
私、久高 リサ。よろしくねー?」



口を開いたかと思うと一気にそう喋り出した彼女。



「あ、あたしは窪田 ゆうこ。よろしくね」



仲良くなれるかな…いい子そうだし…。



「うん、よろしくー。ねぇねぇ、HRまで時間あるし、少しお喋りしない?」



だめ、かな?と首を傾げる彼女。



だめなんてことない、嬉しいお誘いだった。



こくっ、と頷く。



「ゆうこは高校からよね?」



「うん。リサは?」



「私は中学からここなの」



「そうなんだ」



「初めの方はここ広くてすぐ迷子になっちゃってたの」



今はわかるからね!



と言う彼女。


きっとやわらかい性格なんだろう。



「そういえば、ゆうこはこのクラス同じ中学校の人とかいる?」



「、いないよ」



「そうなのね、じゃあ私はゆうこの友達一号ね」



微笑む彼女にあたしはにこっと笑い返した。
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