また明日、空の向こうで。
そこには先客がいた。
柵に寄りかかりながら空を見ているその人が振り返る。
少し明るめの茶髪と、瞳。
あたしは人が居るなんて思ってなくて、
固まってしまった。
向こうも人が来るなんて思ってなかったようで、
少し驚いたような顔をしてる。
かと思うとくすりと笑ってこう言う。
「ここは立ち入り禁止だよ?」
…いや、うん。
え?じゃあなんであなたはいるんですか?
というかあなたは誰ですか?
なんて聞けないあたしはただ曖昧に笑うしかない。
「そう、なんですか…」
「じゃあなんで俺はここにいるのかって思っただろ」
「え?」
「顔に出てる」
そして彼はまた笑って言った。
「俺はいいんだ。ここは落ち着くから」
「理由になってない気がしますけど…」
「まぁまぁ。俺は特別ってことで」
「よく分かりませんが狡くないですかそれ」
よくわからない彼の言い分に、
思わずつっこんでしまった。