また明日、空の向こうで。
途端、彼は笑い出す。




さっきとは比べ物にならないくらい、



とても楽しそうに。



(あぁ、さっきまでのは作り笑いか…)



あたしと一緒だなぁ、



なんて場違いなことを考えてしまう。



「何をそんなに笑ってるんですか?」



「いや、面白い子だなって」




未だに笑っていた彼はなんとか落ち着いたようだった。



「きみ、名前は?」



「窪田 ゆうこ、です 」



「ゆうこ ね。俺、亮太。久瀬亮太。」



最初に見た時と違って御機嫌な彼はそう言う。



「よろしく」



…なんだか楽しくなりそうだな、と思った。
< 8 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop