好きな人は塩対応

遼くんは最後の最後までかっこよかった。

だけど試合は負けてしまった。

先輩たちは引退だった。


「陽莉、先輩のとこ行きたい…」


あぁそうか。先輩だから引退か。


「いいよ、行こうか。」


試合終わりのバスケ部の所へ向かった。

みんな男泣きをしていた。

青春だな、なんて思ったりして。


「ちょっとトイレ行ってから行くから先行ってて」

「うん分かった」

那歩ちゃんには先に行っててもらった。

実際トイレになんて用はない。

だけど、合わせる顔がなかった。

直也くんにも遼くんにも。
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