運命の絆
着ていたパジャマを制服に着替え、
胸元のリボンを軽く結ぶ。


階段を降りていくと、
食パンの焼けた匂いがふんわりと
リビングに広がっているのを感じ取れる。


「お母さん、おはよう」


そう言って、リビングのドアを開けていく。
台所には皿を洗っている母の姿。


「葉瑠、おはよう。朝食は準備したわ。
ほら、食べなさい。」


「うん。ありがとう。いただきまーす」


テーブルの上には食パンにイチゴジャム。
そして、目玉焼きとウィンナーがワンプレートで置いてある。


それを一気に平らげ、「ごちそうさま」と一言残し、洗面所に向かう。


顔を洗い、肩まである髪を解かし、
右下に縛って、眼鏡をそっと掛ける。


見るからに地味な私が鏡に映る。


毎朝の光景だけれど、
これを見る度に、恥ずかしくなってしまう。


黒髪に眼鏡。
お下げじゃないだけ、まだマシだけど、
それでも、今時のスタイルではないだろう。
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