物語はどこまでも!

「それで、だ。その笑顔を一番に見せなきゃいけない相手が、お前にはいるだろう?」


え?と聞く間に、手のひらに何かを掴まされた。

「司書、勝村野々花の肩書きは伊達じゃないってことさ」

そこにあったのは一枚の白い羽根。
彼女はいっそ、清々しく私の背中を押してーー

「お前の旦那に言ってやれ!やはり、お前にしか我が親友を任せられないとな!」

私のしたいことをしろと、言ってくれた。

この気持ちをなんと表現すべきか。
ああ、本当に心って不思議だ。

思いっきり笑いたいはずなのに、唇が震えて笑顔になれない。だから、野々花の言葉通りに行動する。

返事をする前に、走った。
どこにって?ーーそんなの当然!








< 121 / 141 >

この作品をシェア

pagetop