こんな私にも王子様はきますっ!

「先生は昔、パティシエになりたかったんだー。でもなー、高校の時ぃ、、、」
また、この話を聞かなきゃいけないのか、と思っていたら、少年が遮った。
「担任の先生に恋しちゃったんだろ?んで、追いかけてその先生も将来の夢もgetしちゃったんだろ?」
先生の薬指の指輪が光る。
「もー、本高ぁ、照れるだろ」
先生の顔が真っ赤だ。
彼は本高龍(もとだか たつ)。チャラめで、クラスのムードメーカーって感じの男子。
話したことはないけど、絶対苦手なタイプ。
ひゅーひゅーとはやしたてるこえが教室中を木霊する。
(私のなりたいことか...)

放課後になってほとんどの生徒は文集をだしていた。
「お前ら、5時までに書いて、先生んとこ持ってこいよ。」
今は4時、、あと1時間しかないじゃん。
「お前はなにになりたいん?」
げっ、この声は...本高くん。
「わ、わたし?!」
びっくりして、声が裏返ってしまった。
「そ、お前。この教室にはお前と俺しかおらんわ。」
うそ...。やだ、早く帰りたい。
だまって自分の席につき、黙々と意味の無い文章を書き続ける。
そんな私を無視して、私の横で本高くんは
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