こんな私にも王子様はきますっ!

くやしいけど、いいかえせない。
その隙に本高くんがわたしの原稿をとって、なにかをかきはじめる。
「これでどーや?2人でおそろい!コンビや!!」
とってもキラキラした顔でゆわれた。
胸の中が軽くなった気がした。

「おねーちゃん、変な手紙が届いてるよ」
土曜日の朝、涼藍が私を起こしにきた。
「え?」
ねぼけまなこでその封筒をみる。
「切手がついてないみたい。誰だろーね。」
表には、ギリギリ読めるくらいの字で、村城 涼音(りん)様と書いてあった。
中をみてみると、、
『俺の愛する相方よ!トマト丘公園に集合しやがれ!!』
ぐちゃぐちゃとそう書いてあった。
「...」
2人で顔を見合わせた。
あいつしかいない...。

3時くらいに公園についた。
すると、頭上から甲高いあの声が降ってくる。
「おそーい!!!!」
真っ赤なジャングルジムのてっぺんで仁王立ちしながらわたしを見下ろしている。
「きゅ、急にあんなことされてもこまるからっ!」
精一杯言い返した。
「大体、なんで家しってんのよ!」
ってきいたら、
「エスパーです。」
なんてポーズを決めてふざけちゃうから、頭から真っ逆さまに落ちた。

ベンチで血が出ているところをみてあげる。
「カサブタできそうね。」
「...」
さっきからとても不機嫌になった。
「落ちたのは自分のせいでしょ!!」
本高の頬がフグみたいに膨れる。
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