小さな愛の形
『完璧』な彼女
駅が近くなると、人も多くなった。様々な人が、行き交う。
僕はここの場所が嫌いだ。様々な人が居て、様々な顔があるはずなのに、皆同じ顔をしている。
眉を寄せ、難しい顔。
誰しもが楽に生きたいと願っているはずなのに、誰しもが難しい顔をする。
そんな人達を見ているのは辛かった。
そして同じくらい、自分もこんなふうになるのかもしれない恐怖に怯えている。
しかし、今の自分も同じような難しい顔をしているのだろう。
視界が下に落ちている。足元しか見ていない。
そんな落ちている僕の肩に、前にも体験したような重さが現れた。
振り返ると、彼女が立っていた。
なんだか彼女だけは周りの人と、顔が違って見えた。
真夜中に突然、太陽が現れたようだった。
彼女の明るさは、近くに行くのも烏滸がましいと感じた。
「おはよ!」
と昨日と同じ、明るい声だった。
彼女のような元気は、どこから来るのだろうか。
「…おはよ。」
それに比べ、僕は彼女とは真逆の月のようだ。
ずる賢く、周りが暗く他者からの光を反射しなければ輝けない。
彼女が太陽ならば、僕は月だろう。
「今日は、英語あるよね。はぁー嫌だな。」
とかそんな笑い話を言う彼女。
僕は、自分から話すという事をして来なかった。
誰かが話しかけてくれるのを待ち、話しかけなれた話しに相槌を打っていた。
活気と共に、熱を取り戻したコンクリートには、暖かな太陽の光が降り注いでいた。
僕はここの場所が嫌いだ。様々な人が居て、様々な顔があるはずなのに、皆同じ顔をしている。
眉を寄せ、難しい顔。
誰しもが楽に生きたいと願っているはずなのに、誰しもが難しい顔をする。
そんな人達を見ているのは辛かった。
そして同じくらい、自分もこんなふうになるのかもしれない恐怖に怯えている。
しかし、今の自分も同じような難しい顔をしているのだろう。
視界が下に落ちている。足元しか見ていない。
そんな落ちている僕の肩に、前にも体験したような重さが現れた。
振り返ると、彼女が立っていた。
なんだか彼女だけは周りの人と、顔が違って見えた。
真夜中に突然、太陽が現れたようだった。
彼女の明るさは、近くに行くのも烏滸がましいと感じた。
「おはよ!」
と昨日と同じ、明るい声だった。
彼女のような元気は、どこから来るのだろうか。
「…おはよ。」
それに比べ、僕は彼女とは真逆の月のようだ。
ずる賢く、周りが暗く他者からの光を反射しなければ輝けない。
彼女が太陽ならば、僕は月だろう。
「今日は、英語あるよね。はぁー嫌だな。」
とかそんな笑い話を言う彼女。
僕は、自分から話すという事をして来なかった。
誰かが話しかけてくれるのを待ち、話しかけなれた話しに相槌を打っていた。
活気と共に、熱を取り戻したコンクリートには、暖かな太陽の光が降り注いでいた。