小さな愛の形
その後、彼女が行きたいと言って立ち寄ったカフェで一息つく事になった。

彼女は慣れているのか、注文表を見ずに注文をている。

店員さんとも仲良く話し掛けている。

僕には絶対に出来ないな。と思いながら、席に着いた。

早速買った本を開き、読みふけっていた。

十分後、ようやく店員さんとの話しが終わったようで、彼女も席に座った。

カフェラテとショートケーキ二つを持って。

ケーキを二つも食べるのかと思ったが、彼女は一つの方のケーキを僕の前に出した。

「なにこれ?」

「?ショートケーキ。」

なかなか会話が噛み合わなかった。

「知ってる。何で僕に?」

「んー、お礼?」

「お礼?」

お礼されるようなことをしただろうか。

逆に今日のことを謝れと言われるかと思っていた。

「ほら、前に学校案内してくれたでしょ!」
と彼女は言うものの、それ程大したものをやった訳ではなかった。

「別に、いいんだけど。」

「よくない!借りを作ったままって嫌なの!」

「そんな、借りって…僕は気にしないし…」

「私が気にするの!」
と少し切れめに説教を受けた。

なぜ僕は怒られなければならないのだ?

「それに、私二つも食べられないし。」
とそこまで言われて、食べない訳にもいかなくなり、頂く事にした。
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