夏風の吹くうちに。
「一緒にさがす?なんで?」
「君意外と思ったことすぐ口にだすよね」

え、なんで?
だってわざわざ私が一緒に探す必要なんてないじゃないか。

「だって似た顔の夏子、見たいだろう?」
「まあ見たくないって言ったら嘘になりますね」
「うん。だから一緒に探してくれたら君にとっても僕にとっても利なんだよ」
「あなたの利ってなに?」
「なにせ夏子に最後に会ったのは小学校の時だから今の顔が分からないでしょ?だから君がいてくれるとだいたいの夏子の雰囲気が掴める気がするんだよ」

意味がいまいち分からないけど私は単純に興味があった。

「わかりました。やる」

私がそう答えると彼はニッと笑って手を私に差し出した。

「俺、小鈴尚人。よろしくな!」
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