夏風の吹くうちに。
小鈴の過去。

夏子と出会ったのは小学校4年の時だった。
転校してきた小鈴は当然友達もいなく、休み時間椅子に座りぼーっとしていた。

「ねえあんた転校生の小鈴でしょ?」

そんな小鈴に当然話しかけてきたのが夏子だった。
「そうだけど」
少し無愛想に答えすぎたかもしれない。
けれど夏子はなにも気にしないような笑顔でいった。

「私、佐滝夏子!」

それが俺、小鈴尚人と佐滝夏子の出会いだった。
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