君と、ゆびきり
夢の中
翌日が卒業式だと思うと落ち着かなくて、あたしは早々に自分の部屋へと戻ってきていた。


時間はまだ夜の9時だ。


これから見たいテレビもあったのだけれど、集中して見る事はできなさそうだった。


「ふぅ」


あたしはため息を吐き出してベッドに座った。


クローゼットにかけてある制服に視線をやる。


あの制服を切るのも明日で最後なんだ。


そう思うと、楽しかった3年間の思い出が一気に溢れ出してくる。


入学式や体育祭や文化祭。


それに修学旅行。


本当に沢山の思い出があたしの胸に刻まれている。


明日その思い出を作った場所とさよならするだなんて、今でもまだ信じられないくらいだ。


あたしは制服に視線を向けたまま、ベッドに横になった。
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