君と、ゆびきり
持ってきたのはビーズで作った指輪だった


青と透明で作ったシンプルなもの。


「これって、手作り?」


「そうだよ。色違いのお揃い」


あたしはそう言い、カバンの中からピンクと透明で作った指輪を取り出し、自分の小指にはめた。


「これって、千里の手作り?」


「うん」


昨日、病院から帰ってからすぐに作ったものだった。


あたしが風の事を、風との約束の事を忘れないようにするために。


「なによ、なんでそんなに驚いた顔してるの?」


風が大きく目を見開いてあたしを見ているので、そう聞いた。


「千里って女子力あったんだ!?」


その驚き方にカチンときた。
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