君と、ゆびきり
「……わかる?」


風が手を止めてそう聞いて来た。


わかるもなにも、顔にも態度にも出過ぎだと思うけど。


「わかるよ。バレバレ」


そう言うと、風は大きくため息を吐き出した。


「なに? そんなに悩んでるの?」


もしかして病気のことだろうか?


そう思い、あたしも食べる手を止めて風を見た。


「実はさ、最近この辺が痛いんだ」


そう言って風が指さしたのは心臓のあたり。


あたしはハッと大きく息を飲んで目を丸くした。


「うそ……」


自分の心臓が徐々に早くなっていくのを感じる。


まさか病気のせいでなにか起こっているんじゃないかと、不安が膨らんでいく。
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