君と、ゆびきり
これも、少し変化が表れているということなのかもしれない。


「そういえば、今日は写真とってないけど」


風に言われて思い出した。


そうだった、今日はまだ撮っていない。


「じゃぁ、写真撮ろうか」


「うん」


風は頷き、あたしの隣に座った。


この近い距離も、今では随分と馴れて来た。


あたしは医学書を片手に持ち、シャッターを切る。


「明日には病院に戻るんでしょ?」


「あぁ、そうだね」


「それなら、もっと遊びにいけばいいのに」


なにもあたしの勉強に付き合うことはない。


風は、風のやりたいことをすればいい。


そう思って行ったのだけれど、風は左右に首を振った。
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