君と、ゆびきり
「俺は少しでも長く千里と一緒にいたい」


そんな事を照れもせずに言う風。


言われたあたしの方が照れてしまい、顔が熱くなるのを感じた。


「千里」


風があたしの手に触れた。


相変わらず細いけれど、今日はちゃんと暖かかった。


グッと風の顔が近づいて来て、思わず流されてしまいそうになり、身を離した。


「ちょっと、風」


「え? ダメ?」


少しうるんだ瞳であたしを見て、子首を傾げてそう聞いてくる風。


「ダメって……あたしと風って付き合ってたっけ?」


そう聞くと、風は眉をさげてあたしを見た。


「そういうことするなら、ちゃんと付き合ってくれる?」


続けてそう言うと、風の顔がパッと明るくなった。


「千里、俺と付き合ってくれるの?」
< 128 / 226 >

この作品をシェア

pagetop