君と、ゆびきり
とても静かな空間だった。


風とあたしの息遣いだけを感じられる空間。


熱はかなり高いのか、風は赤い頬をしている。


日焼けを知らない白い肌だから、それが余計に目立っていた。


あたしはそっと風のおでこに手を当てた。


もう片方の手を自分のおでこに当てて比べてみる。


確かに、少し熱いかもしれない。


普通の人なら無視してしまうくらいの熱。


それでも風は荒い呼吸を繰り返し、時折苦しげに呻いた。


「千里……」


風があたしに手を伸ばすので、あたしはその手を握りしめた。


今日はとても熱い風の手。


「花火……ごめん」


「いいってそんなの。気にしないでよ」


「でも……俺のせいで、千里が……」


そこまで言って、風はあたしから視線をそらせた。
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