君と、ゆびきり
「ちょっと、青」


玲子が慌てて青を止める。


「ん? あぁ、ごめん」


青はようやく気が付いて風から離れた。


「俺は別にかまわないよ」


風はそう言い、青に笑顔を向ける。


「そうか? じゃぁ、ひとつ質問」


青はそう言い、人差し指を立てた。


「なに?」


「その指輪、千里とお揃い?」


青の質問にあたしは無意識の内に自分の小指にはまっているビーズの指輪に触れていた。


「うん、そうだよ。千里が作ってくれた」


風の答えに、青があたしを見た。


あたしは思わず後ずさりをしてしまう。


青の真っ直ぐな瞳がなぜだか怖かった。


「恋人だっていう印?」
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