君と、ゆびきり
「玲子は、いいの?」


「いいって何が?」


「みんなと一緒にいなくても、いいの?」


「あぁ。大丈夫だよ。あたしはいつでもあいつらと一緒に騒いでるんだから」


玲子はそう言うと、広間へ視線を向けた。


すでにパーティーは始まっていて大きなツリーを囲むようにして院内の子供たちが集まってきていた。


幼稚園に入る前の小さな子から、高校生くらいの人まで様々だ。


その光景に玲子は「うわぁ」と、声を上げた。


「すごいね。こっちのパーティーの方が絶対にすごい」


そんな事を呟きながら広間へと近づいていく。


集まっている子の中には車いすの子もいるし、点滴を下げている子もいる。


そしてなにより、みんなパジャマ姿だった。


だけど玲子はそんな事気にしている様子ではなかった。


ただ集まっている子供たちの人数に驚いている。


「いいなぁ。あたしもパジャマ姿になりたい」


「何言ってるの玲子」


「だってさ、パジャマパーティーみたいで楽しそうじゃん? 青たちが仮装パーティー兼クリスマスパーティーなら、こっちはパジャマパーティー兼クリスマスパーティーじゃん!」


なるほど、そんな考え方もあったか。


あたしは玲子の考えに感心しながら、輪の中に足を進めたのだった。
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