君と、ゆびきり
でも、今思えば青が相手なら続いていたんじゃないかと思う。


「今年最後の夏休み、どうする?」


ファミレスで落ち合った玲子が、料理が届く前にそう聞いて来た。


「海に行く?」


あたしはそう聞いた。


中学3年の夏休みは、いつもみんなで海に行っていた。


そして花火を見たんだ。


その光景を思い出しながら、あたしは玲子を見た。


「いいね海。少し遠いけど電車使えばすぐだし」


「うん」


あたしは頷く。


今年の夏もチアキと一緒に花火を見ることになるんだろうか?


チアキは何度繰り返しても忘れてしまうと言っていた。


でも、今回はちゃんと覚えてる。


チアキのことも、風のことも。


そこまで考えて、ふと最近チアキの姿を見ていない事に気が付いた。


あたしがチアキを頼る回数が減っているということかもしれない。
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