君と、ゆびきり
☆☆☆

お母さんが出してくれた液体状の風邪薬は本当によく効いた。


きっと体への吸収が早いのだろう。


教室へ入って先生が来るのを待っている間、あたしの体はとても軽くなり若干汗をかいていた。


きっと熱が下がってきているんだ。


そう思い、ホッと安堵のため息を吐き出した。


これから一か月ほど友達とも会えなくなってしまうから、今日は元気に過ごしたいと思っていたんだ。


テストの結果も上々で、問題なく卒業できそうだった。


クラスメートの中には残念ながらテストの結果が思わしくなく、2月中に何度か補習を受けないといけない生徒もいるようだ。


「千里は大丈夫だったよね?」


すべての返却が終わり、ホームルームも終わった後すぐに玲子がそう声をかけて来た。


この時にはあたしの風邪ももうすっかり良くなっていた。


「もちろん。玲子は?」


「あたしもバッチリ!」


玲子はそう言い、ウインクをして見せた。


これであたしと玲子は約一か月間を自由に過ごせると言う事だ。
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