君と、ゆびきり
「俺さ、高校くらいはちゃんと通いたいって思ってたんだ。どうせだから、千里と同じ高校に行きたい」


「それは……いいけれど……」


だけど、風の体調は良くない。


入学できたとしても、通えるかどうかはわからない状態だ。


150回目までと同じで、入学してすぐに通えなくなってしまう可能性の方が高かった。


「千里と一緒に高校を卒業したい」


風のその願いは今も変わっていなかったのだ。


あたしはそっと風の手を握りしめた。


いつかしたように小指同士を絡める。


「わかった。約束しよう? 必ず一緒に卒業するって」


「ありがとう、千里」


風は笑う。


前よりも少し元気がなくなってしまった顔で、それでも優しく、笑った。
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