君と、ゆびきり
卒業までに資格を取らなければならないし、それ以前に成績が悪いと進学だって危ぶまれてくる。


問題とにらめっこをしていたあたしはついに大きな声をあげて天井を見上げた。


「だめだ、全然わかんない」


「少し休憩しなよ」


風が苦笑いを浮かべてそう言った。


「だめだよ休憩なんて。勉強初めてまだ15分だもん」


壁にかけてある時計を見てあたしはそう言った。


自分の集中力のなさを呪う。


「じゃぁ、少しだけ散歩しに行こう」


「散歩?」


「うん」


風に誘われるがまま、あたしは屋上へ上がってきていた。
< 180 / 226 >

この作品をシェア

pagetop