君と、ゆびきり
あたしと同じように頻繁に風のお見舞いに来て、風の努力を知っているからこその怒りだった。


玲子のそんな優しさが胸を刺激するようだった。


「千里の言う通りだ。俺は勉強はできるんだから、あとは体だけなんだ」


風がいつものように笑ってそう言った。


あとは体だけ。


それが風にとってどれだけ大変なことか、一番理解しているのはきっと風自身だ。


それでも風はほほ笑むんだ。


人のすべてを包み込んでしまうような、優しい笑顔で。


「まぁ、風がそういうならいいけど」


玲子も風の優しい笑顔に包まれて、モゴモゴと口ごもってしまった。


「じゃぁ、勉強を再開しようか」


あたしはクスッと笑ってそう言ったのだった。
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