君と、ゆびきり
☆☆☆

それからあたし、玲子、真弓、和美の3人はファミレスに来ていた。


店内には春ケ丘高校の制服を着ている生徒たちの姿もチラホラ見えている。


「で、これからどうする?」


玲子が水をひと口飲んでみんなの顔を見回した。


2月の一か月間は本当に貴重だ。


みんなこの期間を利用して卒業旅行へ行ったりする。


「とりあえずこの4人で旅行へ行く事は決定ね」


そう言ったのは和美だった。


そして鞄から国内旅行のパンフレットを取り出した。


その用意の良さにあたしは目を丸くして和美を見た。


「でも、今からじゃ泊まる場所を探すのはきっと難しいよ? みんなこの時期に卒業旅行に行くでしょ?」


真弓が和美の横からそう言った。


「たぶんね。ホテルや旅館なんかに泊まるとお金もかかるし、それはナシで行こうと思うんだ」


「ナシってことは、日帰り?」


玲子が和美にそう聞いた。


「ううん。それじゃ遊びたりないでしょ?」


そう言い、和美はにやりと笑う。
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