君と、ゆびきり
といっても、地元の大学に通うから家を出るワケではないし、友人の内何人かも同じ大学へ通う事が決まっている。
だから旅立ちと言うほど大げさな事でもないのだけれど、卒業後会えなくなる人たちもいるかと思うとはやり気持ちは違っていた。
「千里、おはよう!」
後ろから声をかけられて振り返ると、クラスメートの中原玲子(ナカハラ レイコ)が手を振って走って来るのが見えた。
あたしは足を止めて玲子が来るのを待った。
「玲子、今日は早いね」
「千里こそ」
そう言って大きく息を吐き出す玲子。
いつもより少し早い時間に起きたのはあたしだけじゃなかったみたいだ。
玲子は長い髪をポニーテールにして、赤いリボンで結んでいる。
まるで漫画の世界に出てきそうな髪型だったが、可愛い顔立ちをしている玲子には違和感がなかった。
あたしたちは並んで歩きながらなんとなく口数が少なくなってしまった。
こうして2人肩を並べて登校するのも今日で最後かと思うと、会話が続かない。
いつもみたいにテレビの話やネットの話題は思いつくのに、それらが口から出て来ることはなかった。
だから旅立ちと言うほど大げさな事でもないのだけれど、卒業後会えなくなる人たちもいるかと思うとはやり気持ちは違っていた。
「千里、おはよう!」
後ろから声をかけられて振り返ると、クラスメートの中原玲子(ナカハラ レイコ)が手を振って走って来るのが見えた。
あたしは足を止めて玲子が来るのを待った。
「玲子、今日は早いね」
「千里こそ」
そう言って大きく息を吐き出す玲子。
いつもより少し早い時間に起きたのはあたしだけじゃなかったみたいだ。
玲子は長い髪をポニーテールにして、赤いリボンで結んでいる。
まるで漫画の世界に出てきそうな髪型だったが、可愛い顔立ちをしている玲子には違和感がなかった。
あたしたちは並んで歩きながらなんとなく口数が少なくなってしまった。
こうして2人肩を並べて登校するのも今日で最後かと思うと、会話が続かない。
いつもみたいにテレビの話やネットの話題は思いつくのに、それらが口から出て来ることはなかった。