君と、ゆびきり
「だけど、普通は幼い子供の頃に見る幻想。大人になるにつれて幻想は消えて、こんな風に会話なんてできなくなる」


「で、でも……!」


「千里。あんたには生まれつき少しだけ特別な力がある。架空のチアキを実態があるように作り上げ、『約束を果たしたい』と思った期間をやり直す事ができる不思議な力」


「う……そだ」


自分の声が震えていた。


この世界を作ったのは自分自身。


その言葉がズシリと重たくのしかかって来る。


「千里、あんたがやり遂げないと、この世界は終わらないよ」


チアキはそう言うと、スッと姿を消したのだった。
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