君と、ゆびきり
そこに映っていたのは確かにイケメンの、しかも双子の兄弟だった。


「うそ、これが和美のイトコ!?」


一番に食いついたのは真弓だった。


この、メンバーの中じゃ一番モテるはずなのに理想が高すぎて彼氏ができないのだ。


そんな真弓が目を輝かせている。


「そうだよ。2人とも大学2年生。身長は180センチあるよ」


「あたしの身長差と丁度いい!」


和美の言葉に真弓は更に目を輝かせ、今にもその場で飛び跳ねてしまいそうなくらい喜んでいる。


これは決定してしまうかもしれない。


あたしはチーズケーキに視線を戻してフォークで切った。


口に入れると安っぽい味がした。


「ね、千里はどう?」


和美にそう聞かれて、あたしはケーキをゴクリと飲みこんだ。


顔を上げるとニヤリ顔の和美と、真剣な表情の真弓と視線がぶつかる。
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