君と、ゆびきり
それでも、あたしはこの高校を卒業したのだ。


不意に背筋がゾクリと寒くなる。


あたしは明日目覚めた時、何月何日にいるのだろうか?


あたしは明日、風の事をちゃんと覚えているのだろうか?


「あたし、行かなきゃ」


そう呟くと同時に足が動いていた。


「千里!?」


クラスの集合写真も撮らずに走り出すあたし。


逃げてちゃいけない。


自分から動かなきゃいけない。


この世界を変えるためには、あたしが変わらなきゃいけない。


飛行雲の下、あたしは懸命に走り続けた……。
< 216 / 226 >

この作品をシェア

pagetop