君と、ゆびきり
☆☆☆

体育館での入学式が終ると、それぞれのクラスへ向かう。


残念ながら玲子とはクラスが離れてしまった。


だけど同じ専門学科を選択しているから、クラス替えの時に同じになれるかもしれない。


そんな話をしてバイバイしたあたしは自分のクラス1年A組に足を踏み入れた。


教室内の知らない顔ぶれにあたしの緊張は高まった。


心臓の音がとたんにうるさく感じられてくる。


同じ中学から来ている子も何人かいるけれど、みんなあまり会話をしたことがない子ばかりだ。


あたしは自分の席を探して机に向かった。


窓際から数えて2列目の一番後ろだ。


なかなかいい席じゃん。


そう思い、軽く鼻歌を口ずさむ。


「初めまして、あたし真弓」


隣の席の女の子が気軽に声をかけて来てくれたので、あたしは咄嗟に笑顔を作っていた。


第一印象は大切だ。
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