君と、ゆびきり
見知らぬ少女
朝。


お母さんの声で目が覚めた。


「今日は制服を作りに行く日でしょ。早く起きなさい」


そう言われて重たい瞼をこじ開ける。


「なにもこんなに早く起きなくてもいいじゃん」


「ダメよ。朝から行って午後には終わらせちゃいたいんだから」


どうやらお母さんは午後から予定があるみたいだ。


あたしは大あくびをして携帯電話を確認した。


3月19日。


窓の外を見ると風がとても強いみたいだ。


随分と暖かくなってきているけれど、今日はコートが必要かもしれない。


あたしはベッドから起き上がると中学校の制服に身を包んだ。


3年間お世話になった制服は随分とヨレヨレになってしまっている。


あたしの扱い方が雑だったせいで、決して生地のせいなどではない。
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