君と、ゆびきり
☆☆☆

両親の優しさに甘えて、あたしは玲子の家に来ていた。


クリスマスパーティーは昼間から始まった。


大きなケーキにクリスマスツリー。


みんなが持ち寄ったプレゼントは色とりどりの包装紙で輝いて見えた。


「すごい。クリスマスパーティーってこんな感じなんだ」


あたしは思わずそう呟いた。


病院で行われるクリスマスパーティーもとても素敵だったけれど、やはり病院だ。


集まる子の中には車いすに乗っていたり、点滴を下げていたりして、嫌でも現実を突きつけられていた。


パーティーが終ればこの子たちはまた病気と闘わなきゃいけないんだ。


ううん。


パーティーをしている最中にだって、薬が手放せない子もいる。


そう思うと、心から楽しむことができなくなってしまうのだ。


あたしだけ元気になって、あたしだけ騒いでいいのだろうか?


そんな疑問が浮かんでくるのだった。
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