君と、ゆびきり
さよならの日
目が覚めると目覚まし時計が鳴り始めた。


手探りでアラームを止めて、携帯電話を見る。


9月15日。


今日は通院日だ。


あたしはベッドからのそりと起きだして着替えを始めた。


いつも手にとる制服ではなく、私服だ。


夏の暑さが残る中、お母さんの運転する車で1時間ほど先にある総合病院へ向かう。


この道のりの景色ももう見飽きてしまった。


「もうすぐ、先生から許可が出るかもしれないね」


運転しながらお母さんがそう声をかけてきた。


それは半年前にも聞いたセリフだった。


そろそろ通院しなくてもよくなるかもしれない。


その期待は小学校の頃から続いていた。


だけど、今だに通院を続けている。


回数は随分と減って半年に一回のペースになっていたけれど、いつ通院をやめることができるのだろうかと、時々不満に感じることも多かった。
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