君と、ゆびきり
中学に入学してから運動部へ入り、その練習にもついていけるようになっていた頃だった。
あたしは馴れた通路を抜けて2階の角部屋の前で立ちどまった。
そこには変わらず上岡風(カミオカ フウ)の名前が書かれている。
あたしはドアの前で立ちどまり、大きく深呼吸をした。
あたしが通院をやめるなんて、やっぱりまだ信じられなかった。
これから先、ずっとずっとこの病院でお世話になるのだと思っていた。
でも、現実はそうじゃなかった。
あたしはもう、この病院を必要としなくなったんだ。
あたしは勇気を出してノックをした。
3回ノックをしたあと、耳を澄ませていると2回ノックが聞こえてくる。
それに答えるようにしてあたしは1回ノックをし、ドアを開けた。
「千里!」
ベッドに腰をかけた風が満面の笑みで迎えてくれた。
さっきのノックはあたしと風だけの特別なサインだった。
別に、そんなサインを使うことなく名前を言って部屋に入ればいいのだけれど、それじゃ面白くないと思って、小学校の頃あたしと風で決めたものだ。
「風!」
あたしはベッドまでかけよった。
そんなあたしを見て風は一瞬不安げな表情を浮かべた。
「このくらい、大丈夫だよ」
「よかった」
あたしの言葉に安堵の笑みを浮かべる風。
あたしは馴れた通路を抜けて2階の角部屋の前で立ちどまった。
そこには変わらず上岡風(カミオカ フウ)の名前が書かれている。
あたしはドアの前で立ちどまり、大きく深呼吸をした。
あたしが通院をやめるなんて、やっぱりまだ信じられなかった。
これから先、ずっとずっとこの病院でお世話になるのだと思っていた。
でも、現実はそうじゃなかった。
あたしはもう、この病院を必要としなくなったんだ。
あたしは勇気を出してノックをした。
3回ノックをしたあと、耳を澄ませていると2回ノックが聞こえてくる。
それに答えるようにしてあたしは1回ノックをし、ドアを開けた。
「千里!」
ベッドに腰をかけた風が満面の笑みで迎えてくれた。
さっきのノックはあたしと風だけの特別なサインだった。
別に、そんなサインを使うことなく名前を言って部屋に入ればいいのだけれど、それじゃ面白くないと思って、小学校の頃あたしと風で決めたものだ。
「風!」
あたしはベッドまでかけよった。
そんなあたしを見て風は一瞬不安げな表情を浮かべた。
「このくらい、大丈夫だよ」
「よかった」
あたしの言葉に安堵の笑みを浮かべる風。