拾われた猫。Ⅱ
「ですが…、赤木たちが総動員して探してあの時居なかったのに、どうして今頃…」
顎に手を当てる結。
そんな彼女を見ても、月は不思議そうにしなかった。
「そんなのいいのよ。
…この目撃情報は大きいわ。
もう一度探して!」
コクリと頷いた結は一度お辞儀をして出ていった。
結が出ていった後、月はもう一度資料に目を向ける。
「紅い…髪」
少し呟いて、窓の外に目を向ける。
雲を掴むようにひらひらと手を上げるけれど、何も入っていない手をギュッと握りしめた。
やがて力なく落ちていった手。
それから投げ出すようにベッドに倒れ込んだのだった。
そして、目を閉じて歌う。