拾われた猫。Ⅱ
「明日、女王の警護に行く隊の隊長を読み上げる。
ここの守りが薄くなるのも踏まえて、何隊かは残す。
いいな?」
凛と通るその声に、空気が一変して固くなる。
カサリと紙を開く。
「まずは、近藤さんと山南さん」
その名前が出た時、ざわつき始める。
「私ですか?
てっきり土方くんが行くと思っていたのですが」
長髪の美人はその綺麗な髪を揺らして、首を捻る。
「一応香月は俺の隊だからな。
今回は俺は待機する。
その代わり、山南さんをつけるということだ。
山南さんだったら俺の代わり以上になる」
トシに太鼓判を押された敬助は、「責任重大ですね」と苦笑した。
「あとは、総司、新八、源さん、原田、山崎が行け。
その他は屯所でいつも通り仕事だ」
彼が言い終わると、隊士たちからも色んな文句と喜びが上がるけど、トシはいちいち気にしていないようだった。