拾われた猫。Ⅱ
「何が可笑しいんだ?
さっさと戻れ」
ギロリと形の良い目がこちらを見たので、私たち幹部連中もさっさとその場をお暇することにする。
大広間を出て、各々が自分の場所に行く。
それは別にいいのだけど、いつも誰かを冷やかすことが生き甲斐の総司が足早に歩いていく。
「平助は護衛組じゃなかったな。
戦場になるかもしれねぇのに、珍しく反論無しじゃねぇかよ!」
「俺だって大人にならなきゃいけねぇ時があるんだよ!」
平助はいつものように新八にからかわれて、左之が苦笑で溜め息をついている。
こんなからかいがいのある場面の横をスッと抜けていった。
嫌な予感がする。
「にゃぁ」
ノアも同調するかのように鳴いた。
こっそりその後をついて行くことにした。