拾われた猫。Ⅱ
◇◆◇◆◇



肌寒い風をその身に受けながら、お猪口を傾ける二人の男。



いつもとは違う煌びやかな縁側には、不似合いであった。




「かぁあ〜、仕事の後の酒はクゥッと来るなー!」



ほんのり赤らんだ頬で隣の男の背中をバシバシと叩く。



「その台詞何回目だ…、ったく…。

飲み過ぎだ、新八」



同じ量を飲んでいるはずの原田左之助は、余裕そうに呆れ笑いを浮かべた。



「なんだよ〜、ちきしょう!

そんなに雨ちゃんに会いたいのかよ~…!」




突っ伏して叫ばれた言葉に、口に含んだ酒をこぼしそうになる。



「ごっほっ、ゴホッ!

…お前、知ってやがったのか」




明らかな動揺を見せる彼に、永倉新八はにんまりと不審に笑った。



「何年一緒にいると思ってんだよ〜」




首に腕を絡める彼を鬱陶しそうに睨みつけるが、酔いが回った相手には何の効果も無かった。




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