拾われた猫。Ⅱ
◆◇◆◇◆



「ノア」




何も言わなくても私の心と連動するように、ノアの瞳が煌めいた。




『おぉー!!!!』



ノアの変化に周りは騒然とする。



警戒心を解かない彼女を宥めるように大きな足を撫でる。


すると、懇願するように頭を下げたので手を頭に移動させた。




「猫又はこういうことも出来んのか」



目を見開きながらも、しみじみとそう言ったトシ。



一度見たことがある平助でさえも、唖然と見ていた。





「とりあえず報告だけしようと思って見せたんだけど」

「いつからだ?」

「…1週間くらい前くらい」




眉間を寄せて、「遅せぇよ」という彼に苦笑いを見せた。




「雨ちゃんも体調が悪い日だってありますよ、土方さん」



コロコロと笑いながら総司が助け舟を暮れる。




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