拾われた猫。Ⅱ
第八章
襲撃
1週間が過ぎようとしていた。
もうすぐ左之たちが帰ってくるはずだった。
丞から届いた1通の手紙。
トシは顔を歪ませた。
そして静かにこう言ったのだ。
「香月、今いる全員を大広間に集めろ」
一言それだけ言った。
私を見ずに、手紙を睨んだまま。
殺気に似たような威圧に只事ではないのだと知る。
「…分かった」
敢えて理由は聞かずに、総司たちに知らせに行く。
総司や平助に伝えると、すぐに隊を集めてくれた。
最後の何人かを連れて大広間に行くと、全員もう座っていた。
慌てて座る隊士たち。
どこに座ろうかと戸惑っていると、平助が隣をポンッと叩いた。
安心して笑みが溢れ、そこに座ろうとしたけれど、総司に引っ張られてその位置には行けなかった。