拾われた猫。Ⅱ


爆発は第三者の誰かのものだとして、それは確実だ。


ただの罠ならば、新撰組を閉じ込める必要は無い。

私が出てくればいいだけの話だ。


一体どういうつもりだ…?




「赤木様が新撰組をよく思ってないのは有名な話だが、この非常事態にそこまでするもんかい?」

「赤木様が何をお考えなのかは下っ端の俺にゃ分かんねぇが、噂だよ、噂。」



ゆらゆらと揺れる。

新撰組のことをよく思っていない。

それは嫉妬か、忠誠心か、はたまた別の理由か。



新撰組はとりあえず赤木の手の内にあるのは間違いないらしい。



でも…逃がすなら今のタイミングしかない…。


手足を少し動かしてみようものなら、入れ物が揺れてしまう。



「おい!

動くんじゃねぇ!」

「じっとしてろ!」



こんなふうに気づかれてしまう。



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