拾われた猫。Ⅱ
次の瞬間には、目隠しの奥から光が漏れる。
「うわっ、これじゃさすがの貴女でも動けないっすね」
可笑しそうに両手足の拘束が解かれた。
そして最後に目が開放される。
飛び込んでくる光があんまり眩しくて、目を閉じる。
「うははっ。
眩しかったっすか?
ほら、手貸しますよ!」
その声に誘われるようにゆっくりと瞼を開いていく。
飛び込んでくる人懐っこい笑顔と差し出された手。
納得のいかない私は、眉間に皺を寄せながら手を取った。
「何であんたがここにいるの、…翔」
笑顔で取られた手を引いて出してくれる。
「雨さんのピンチには俺っすよ」
顎に手を付け、おちゃらけて見せる彼は真面目に答えるつもりは無いようだ。
眉間の皺を深めて睨みつける。