拾われた猫。Ⅱ
「…新撰組は?」
私の問いに分かりやすく眉間に皺を寄せ、顎に片手を添えた。
「んー。
城の外れの小屋に閉じ込められてるんですけど、この爆発で近藤さんが動かないわけがないっすよね。
こじ開けてそうっすね!」
ケラケラと笑いながら、「結果分かんないっす」と両手を挙げた。
確かに翔の憶測は間違ってはいない気はする。
「まるで私をその場に連れていきたくないような言い方じゃない?」
感じた違和感をそのままぶつけることで、翔の笑いが止む。
代わりに弧を描いていた目が少しだけ開いた。
闇を帯びた悲しい冷気。
そんな表現がぴったりだった。
「中途半端に察しがいいと俺が困っちゃうんですよ。
…今は知らないままでもいいんだって」
冷たい殺気が少しだけ漏れ出す。