拾われた猫。Ⅱ
「彼女には関係ないけど、僕らには関係ある話かもしれないね、それ」
出入口の扉が開き、出てきたのはまさかの総司だった。
さすがの私も目を丸くする。
騒ぎが大きくならないように総司は置いてきたんじゃなかったの…?
「こうなるからお前には兵士舎で待たせたのに、意味がねぇじゃねぇか…」
「まぁまぁ、土方さん!
雨にも会えたし、近藤さんもとりあえず助かってるし、いいじゃんかっ」
呆れているのか、怒っているのか。
そんなトシを宥めながら、平助はニカッと笑う。
二人は総司の後ろから出てきたのだ。
そして、その後ろから見えるレッドブラウンの髪に長くて大きな武器。
横を歩くのは豪快な笑みを浮かべる大きな体。
またその後ろから見えるのは、長く綺麗髪と表情の変わらない藍色の髪の男、平助と身長のあまり変わらない心配顔の男。
あぁ…、やっと…。
「久しぶりだな、雨」
安心したように、レッドブラウンの彼は綺麗に笑みを見せてくれた。