拾われた猫。Ⅱ
「まぁ…、何はともあれ、これが終わったらあの時どうなってたのかちゃんと聞かせてもらうからな」
じとっとした目を向けられ、苦笑いを浮かべた。
その時、勢いよく兵がなだれ込んできた。
「お前ら!!!
俺達は潔白だ!!!
絶対に殺すんじゃねぇぞ!!!!」
敵が向かってくる直前で副長の命令が響いた。
「え?!!!
俺ら殺されそうなんだけど?!!」
平助の混乱した声がこだまする。
その割にはちゃんと手加減出来ているらしい。
「おいおい、魁先生よぉ!
出鼻くじかれてんじゃねぇよ!!」
「うるせぇなぁ!
しんぱっつぁんもちょっと動揺してたじゃんかよー!!」
喧嘩しながらも彼らは殺さず、急所をついていた。
「藤堂くん、永倉くん、言い合いながらでは周りの士気が落ちてしまいますよ」
真っ黒な笑みを浮かべながら、敵を沈めていく敬助。
「あいつらが黙って戦ってる事なんかあったか?」
佐之まで便乗していた。
てんやわんやになっているのに、楽しそうにしているのはきっと、背中を安心して預けられるからなんだろう。