拾われた猫。Ⅱ
除隊
たくさんの雨が彼らの傷口を流していく。
止まることのない血と兵士。
フラフラの足で私達は立っていた。
誰一人欠けることなく、殺すことなく。
けれど全然終わらない。
止まっていくのは口数だけ。
いつもと違って結ばれていない長い髪は、濡れた身体に張り付いていた。
動かなければいけないのに、刀が迫ってくるのは見えているのに、足が動かない。
「雨!!!!」
大きな声で私を引き寄せ、目の前の兵士を沈めたのは佐之だった。
「ごめん…」
「いや、お互い様だ」
一瞬ポンッと私の頭を撫で、私の前に立った。
私の前を戦う彼らの背中。
体力が切れ切れな私。
あぁ…、足でまといになってしまった…。
落ち込む時間も休む時間も無いのに、体が重たい。
「…めちゃん、雨ちゃん!!」
ボーッとする頭を引き戻したのは、美華さんと一緒にいるはずの総司。